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刀剣博物館

 
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どんなところ?

世界でも類を見ない製法で作られた「日本刀」は、武器や歴史的な価値だけでなく美術的な価値も高く、ときには「日本人の心」とも称されています。そんな日本刀そのものを保存・公開するだけでなく、日本刀にまつわる文化をも普及していくために昭和43年に設立されたのが、この『刀剣博物館』です。以前の渋谷区・代々木から、平成30年1月に墨田区の旧安田庭園内に移転オープンしました。 この博物館を運営する公益財団法人日本美術刀剣保存協会(日刀保)では、国宝「太刀 銘 延吉」や「太刀 銘 国行」、重要文化財「太刀 銘 信房作」などの刀剣を所有しており、貴重な刀剣を随時公開しています。(展示内容は定期的に変更。主な所蔵品はこちら)。
また、日刀保では日本刀の原料である玉鋼の製造に必要な「たたら操業」を行い、現代の刀匠(刀を作る職人)たちに領布を行っています。写真右下のケラと呼ばれる鉄塊を含め、日本刀の製造技術や道具などの資料も公開しているのも特徴です。
歴史に興味のない人でも、本物の日本刀を目の前にすると、その美しさや迫力に圧倒されますよ。

美しい刀身を間近に見られる展示室

建物3階のほぼ全面を占める展示室では、刀身や拵(こしらえ)と呼ばれる鐔(つば)や鞘(さや)といった装飾品を見ることができます。天井が高く明るさを落とした展示室内は、ゆっくりと落ち着いて美しい日本刀や装飾品を眺めるのに最適。日本刀に詳しくない人でも、エントランスで無料配布している「日本刀の基礎知識」という小冊子に目を通すことで、日本刀の詳細や用語を知ることができますので入館時にいただいておきましょう。

●2018年5月20日まで『第63回 重要刀剣等新指定展』を開催中

日刀保では、日本刀の調査や保存を目的として、昭和23年から審査会を開催しています。
日本刀の真偽を鑑定する保存審査を行うと共に、美術工芸品としての格付けを重視した審査として、重要刀剣や特別重要刀剣といった段階を設けて実施。現在、今回の審査で「重要刀剣」に新たに指定されたものの中から、刀剣の部37点、刀装の部8点、刀装具の部36点の計81点を展示中です。
2018年5月26日からは、『第25回特別重要刀剣等新指定展』の開催も決定。その後の展示の予定は、公式ホームページの年間スケジュールからご確認ください。

各部の名称や作る過程もわかりやすく解説

1階にある情報コーナーでは、日本刀の各部名称や日本刀ができるまでの作業工程を詳細に解説したパネルの展示のほか、日本刀の材料となる玉鋼を生む「たたら製鉄」の様子を収録した映像の上映コーナーが設置されています。大量の炭を燃やし、もうもうと火花の舞い上がるたたら製鉄の映像は迫力満点! このほか、日刀保が所有する拵や、現在の刀剣博物館の場所にあった旧安田邸〜両国公会堂の歴史なども展示しています。

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取材時には、日刀保所有の「変り塗腰朱刻鞘肥後打刀拵(上段)」と、「黒漆亀甲紋印籠刻鞘脇指拵(下段)」が展示中でした。

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日本刀の各部の名称や製造の手順などが、初心者でもわかりやすいように大型のパネルで展示されています。

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左上の砂鉄から左下の玉鋼になり、右に向かって何度も鍛錬して打ち延ばすことで刀の形になっていくのがわかります。

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日本刀を作るうえで重要な「研ぎ」の工程。砥石の種類を変えながら、何度も繰り返し研ぐことで刀の魅力を引き出します。

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刀の柄の結び目ひとつとっても、これだけの種類の結び方が! 製造された時代や土地柄によって違いが出るのだそう。

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3日3晩かけて行われる「たたら吹き」の様子を上映するコーナー。映像は約50分あるので、時間に余裕をもってご来館を。

見晴らし抜群の屋上と休憩スペース

展示室のある3階からは、屋上庭園へ出ることもできます。天気の良い日ならすぐ隣にある旧安田庭園をはじめ、見晴らしの良い景色を楽しむことができます。なかなか高いところに出ることのできないエリアですから、こうした眺めを楽しめるのも嬉しいポイント。刀剣には関係のない、隠れスポットです。

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屋上庭園に出ると、鮮やかな芝生の緑を目にすることができます。ただし、芝生内への立ち入りはできませんのでご注意を。

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すぐ隣の旧安田庭園も、上から眺めるとまた違った顔を見せてくれます。池を泳ぐ魚の姿も見ることができますよ。

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鉄筋コンクリート造りの館内は、刀を連想させる銀を基調とした配色。無機質でありながらどこか温もりを感じさせます。

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1階のカフェスペースでは、カップや缶のドリンクで一息付けます。無料のwifiスポットもあり、予習や復習にも便利!

硬軟とりまぜたお土産品も見どころ!?

1階にあるミュージアムショップでは、刀剣にまつわる様々なものを販売しています。専門的な書籍はもちろん、様々な鐔が並んだ手ぬぐいや、鐔の形をした木製コースターなど、刀剣にくわしくない人でも「おっ!?」と思うおみやげ品も色々。日刀保が製造した、日本刀の材料である玉鋼も手ごろな価格とサイズで販売しているので、日本刀好きなら見逃せないアイテムですよ!

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ずらりと並んだ専門書の数々。日本刀の知識を深めたい人には、こうした本を見ているだけでも楽しるのかも!?

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刀剣博物館のオリジナルグッズ「手ぬぐい(税込950円)」は、様々な鐔が染め抜かれた”らしい”逸品です。

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日刀保が製造した玉鋼(税込1500円〜)も販売中。一般人には刀を作れませんが、ペーパーウエイトとして使えそう。

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「鶴丸透鐔」という刀の鐔をかたどった、銀製のストラップ(税込1500円)。携帯に付けて、趣味をアピール?

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日本刀の手入れ道具も販売中で、こちらはさび除けの油(税込350円)。箱入りのフルセット(税込3700円)もあり。

スポット情報

所在地: 東京都墨田区横綱1-12-9
TEL: 03-6284-1000
営業時間: 9:30〜17:00  ※入場は16:30まで
休館日: 月曜日(月曜日が祝日の場合開館、翌火曜日休館)、展示替期間、年末年始
入館料金【通常展】: 一般1000円/会員700円/高校生・大学生・専門学校生500円/中学生以下無料
入館料金【企画展】: 企画展ごとによって異なる
※学生は学生証または生徒手帳を提示、障がい者とその介護者1名は無料
駐車場: なし ※近隣に有料駐車場あり
公式サイト: https://www.touken.or.jp/museum/