クルマdeぐるり関東

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
筑波宇宙センター

 
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どんなところ?

日本の宇宙開発をリードする宇宙航空研究開発機構(JAXA)、その研究・開発・試験といった中心的な役割を果たしているのが、今回ご紹介する「筑波宇宙センター」です。約53万平方メートルの広大な敷地の中には、最先端の研究・開発設備だけでなく、宇宙開発の歴史や貴重な資料を展示する展示館があり、広く一般にも開放されています。「一般人とは関係ないこと」、と思われがちな宇宙開発技術ですが、分かりやすい解説が添えられていますから、ぐっと身近に感じられますよ。好奇心旺盛なお子様達はもちろん、小さい頃にSF映画やロボットアニメを見て育ったお父さん達にも人気と言うのもうなずけます。事前予約制の見学ツアーに申し込めば、「宇宙飛行士養成エリア」や国際宇宙ステーション“きぼう”の「運用管制室」といった実際の現場を見ることもできるのでオススメ! ドライブを兼ねて、ご家族で宇宙を身近に楽しめる、サイエンススポットにおでかけしてみてはいかがでしょうか?

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展示エリア内には、人工衛星をはじめここでしか見ることができない貴重な資料がズラリ。まるで宇宙旅行をしている気分!?

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歴代の国産ロケットを1/20の模型で展示。模型を比較することで、日本の宇宙開発の歴史を振り返ることができます。

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LE-7Aエンジンには、燃料の経路を示す赤い矢印が。高温になるスカートを燃料で冷却していることがわかります。

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軽さと強度を両立するため、ハニカム(=ハチの巣)状になったロケット先端(フェアリング)の外壁も、写真ではなく実物を見ることができます。

スペースドーム

● 人工衛星

人工衛星の試験モデルや、ロケットエンジンの燃焼実験モデルなど、本物の宇宙開発技術を目にすることができる常設展時間です。予約や入館料などはなく、開館時間内であれば誰でも自由に閲覧することができるようになっています。右の宇宙服は、観光地の顔出し看板のように、後ろから顔を出すことができるようになっている人気の撮影スポット。こんな風に楽しみながら、高度な技術に触れることができるのが嬉しいですよね。

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宇宙開発の技術を高めるために打ち上げられた、技術試験衛星「きく」シリーズ。文字通り、宇宙開発の歴史が並んでいます。

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それぞれの人工衛星には、どんな役割を果たしたのか解説が付いています。一歩一歩、着実に技術が進んだことが一目瞭然!

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実験用中継放送衛星「ゆり」の打ち上げにより、山間部や離島など電波の届きにくい場所でも、テレビの視聴ができるように。

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技術試験衛星VII型「きく7号」は、「おりひめ」と「ひこぼし」の2機による分離・ドッキング技術を実現。

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2009年に打ち上げられた「いぶき」により、地球全体の温室効果ガスの濃度分布を観測することが可能になりました。

●「きぼう」日本実験棟

国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟を、実物そのままに原寸大モデルで再現しています。中に入れば気分は宇宙飛行士! 無重力空間で物を固定するために貼られたマジックテープなど、映像ではわからなかった細部まで確認できます。

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館内に再現された国際宇宙ステーションの「きぼう」。お子様でなくても、これを目の前にすると胸が躍ってしまうはず!

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上下のない無重力空間に備え、便宜的に床面側とする角がブルーに、天側とする角にライトが配置されています。

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「きぼう」内部のエアロックは、扉に付いた小窓でエアロック内の様子を確認できるようになっているのが特徴。

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船外にあるロボットアームの制御システムも再現! ……が、残念ながら実際に動かすことはできません。

●宇宙科学研究・月惑星探査

'07年に打ち上げられた、月周回衛星「かぐや」や、'03年に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」の活躍をまとめたエリア。「かぐや」は2機の子衛星と共に、月の様々なデータを観測しました。ここに設置されたモニターでは、NHKとの共同開発で搭載した、月を周回する様子を映したハイビジョン映像も見ることができます。「はやぶさ」は、小惑星・イトカワを観測後に地表からサンプルを採取して地球へ帰還。困難を極めたプロジェクトの達成は大きな話題になるとともに、関連書籍の発行や「はやぶさ」の帰還をモチーフにした映画も制作されるなど、一大ムーブメントを巻き起こしました。ここでは「はやぶさ」の1/2スケールモデルと共に、現在小惑星「リュウグウ」を目指して航行中の「はやぶさ2」の模型も展示されています。

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「かぐや」の観測データを元に再現された、400万分の1スケールの月球儀。普段は見ることのできない裏側までわかります。

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こちらは1/2サイズの「はやぶさ」。特徴的な4基のイオンエンジンや、サンプラーホーンもそのまま再現。

ロケット広場

筑波宇宙センターの正門を入ってすぐ、巨大な「H-IIロケット」が目を引くスペースが「ロケット広場」です。全長約50メートルのこの「H-II」は、模型ではなく「実機」なんです。ただし、展示のために表面の塗装は実際に打ち上げる際のものとは違うものになっています。「本物」ですから、近寄って細部を見れば、接続用のジョイント部分も確認することができちゃいます。ドラマや映画などにもたびたび登場しており、記念写真の撮影もオススメです。

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エンジンの下部は、見学者が見やすいようにシースルーになっています。搭載するエンジン「LE-7」も見どころのひとつ。

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巨体の大半は燃料とエンジンになっており、荷物を積める部分は先端だけ。宇宙に物を運ぶことの大変さがわかります。

広報情報棟

見学ツアーの受付カウンターの他、視聴覚室や休憩スペースを備えている建物が広報・情報棟です。館内の壁面にはJAXAの研究をまとめた掲示がされているので、見学までの時間を退屈せずに過ごすことができますよ。中には展示物では見ることのできない貴重な写真もありますから、じっくり見て回る余裕を持つことをオススメします。また、建物内の自動販売機では、飲み物の他にも一部のおみやげ品も販売中。お急ぎの際にはこちらで買い物を済ませておくこともできます。

● ガイド付見学ツアーで施設内も見れる!

筑波宇宙センターでは、施設の一部をガイド付きで見学できる「見学ツアー」(事前予約制)を行っています。普段は入ることのできない「きぼう」運用管制室や、宇宙飛行士養成エリアといった施設の内部を見ることができます。ツアーの所要時間は約1時間10分、詳細は公式ホームページまたは見学案内係までお問い合わせを。

■開催時間
【個人】 ※施設のバスを使用
平日・休日:11:30〜/15:00〜(各回定員40名)
【団体】 ※20名以上で貸切バスでの来場者にガイドが同乗
平日・休日:10:00〜/11:30〜/13:30〜/15:00〜
(バス1台あたり原則40名、最大50名まで)

■料金
一般500円(税込)/高校生以下・障害をお持ちの方(付添1名)無料
※学生証や障がい者手帳等を提示

■定休日
月曜日(不定期)、年末年始(12月29日〜1月3日)、施設点検日など
※開催日は公式サイト等の開館カレンダーを参照

■予約方法
http://fanfun.jaxa.jp/visit/tsukuba/tour.html#visit_tour または●029-868-2023より申し込み

■その他
中学生以上の方は、参加者全員の顔写真付き身分証明書の提示が必要

プラネットキューブ

宇宙に関するトピックを集めた「企画展」を行うスペースと、JAXAや宇宙に関連したグッズを販売する「ミュージアムショップ」の入った建物がこちら。カフェブースが併設されており、コーヒーなどの軽食を販売しています。

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お母さんとお子様が買い物中に、お父さんはホットコーヒーで一息。お父さんの方がおみやげ選びに熱心かも?

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宇宙やJAXA関連のアイテムが販売されているミュージアムショップ「UNiBO」。ここでしか買えないレアグッズも!

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左の筑波宇宙センターのオリジナルピンバッジは税込594円。右のふたつは税込540円。おみやげにオススメです。

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実際に宇宙飛行士も食べた「スペースカレー(税込540円)」と「宇宙白飯(税込432円)」は、非常食にもなりますよ。

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フリーズドライのスペースフードも。「たこやき(税込540円)」や「アイスクリーム(税込650円)」など種類もいろいろ。

ミュージアムショップ「UNiBO」http://www.unibo.jp/
お問い合わせ:029-850-1718

スポット情報

所在地: 茨城県つくば市千現2-1-1
休館日: 月曜日(不定期)、年末年始(12月29日〜1月3日)、施設点検日等
開館時間: 10:00〜17:00
TEL: 029-868 -2023(見学案内係)
駐車場: 50台
駐車場利用料金: 無料
公式サイト: http://fanfun.jaxa.jp/visit/tsukuba/

※記事の内容は2017年4月取材時のものです。