埼玉カフェさんぽ

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県内のカフェ併設型ギャラリーの草分け的存在。それが山猫軒です。越生の山中にひっそりとたたずむ山猫軒は、自然の中で暮らしたいと1980年代に越生へ移住してきたオーナーが、現在の山猫軒が建つ土地と出会い1989年にオープンしたギャラリィ&カフェ。宮澤賢治の『注文の多い料理店』に登場するレストラン「山猫軒」から名前を拝借し、各所に宮澤賢治のエッセンスを感じさせる造作やメニューが見られます。オープン以来、オーナーが惚れ込んだ作家さんの作品のみを展示し、数多くの作品との出会いの場を提供。自然に囲まれた抜群のロケーションと、魅力的な作品展示、おいしいコーヒーと上質な音楽を求めて、リピートするお客さんも数多くいらっしゃいます。営業日は金曜日から日曜日までの3日間と祝祭日のみですので、予定をしっかり立ててお出かけください。

● ギャラリィ&カフェ 山猫軒
所在地: 埼玉県入間郡越生町龍ヶ谷137-5
電話番号: 049-292-3981
定休日: 月曜日〜木曜日
営業時間: 11:00〜19:00
駐車場: あり
公式サイト: https://www.yamaneko.info/
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山猫軒のメインは、厳選したアートを紹介するギャラリィ空間にあります。建物は伝統工法を用いて、オーナー自らが手作りした一軒家。その表情豊かなたたずまいは、建物自体がひとつの作品です。門や看板も魅力的な造りですので、ぜひチェックしてみてください。
店内は、木で出きた建物ならではのやわらかな空間で、寒い季節は一点物の薪ストーブが暖を提供してくれます。天井が高く2階もギャラリィスペースになっていて、1階を見下ろすこともできます。この構造を利用して、音楽好きのオーナーが企画するライブイベントでは2階席も用意され、多くのお客さんが木でできた家ならではの柔らかな音を楽しまれるとのこと。ぜひイベント情報をチェックして、足を運んでみてくださいね。

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ギャラリィの入り口へと続く階段には、愛嬌あるオブジェがお出迎え。入り口で靴を脱いで上がるスタイルのお店です。

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入り口のトビラは、銅板造形家・赤川政由の手による作品。『注文の多いレストラン』の山猫軒のイメージに合うようにと作られたものです。

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2階のギャラリィコーナー。展示は適宜入れ替えられます。ギャラリィイベントの内容は、公式ページでチェックできます。

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絵画をはじめ、陶や金属、木など各素材による造形、創作人形、染織など、幅広い作品が展示されています。

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取材日は、2018年1月28日までの会期の『山猫軒のおくりもの』が展示されていました。12人の作家さんによる大小さまざまな作品が楽しめます。

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小物や創作人形など、さまざまなタイプの作品が展示されています。見応えたっぷりですので、時間に余裕をもってお出かけください。

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山猫軒のもうひとつの魅力が、おいしいコーヒーやドリンク、軽食、ケーキです。また、山猫軒自慢のコーヒーは、引き立ての豆と天然水を使って淹れられます。おいしい天然水が、良質な豆の香りとふくよかな味わいを存分に引き出してくれます。このほか、ハーブティや紅茶、抹茶ラテ、各種のジュースやミルクが楽しめます。
ケーキは「クリームチーズケーキ」と「ラムケーキ」、「クラシックショコラ」(各400円)があり、飲み物といっしょに注文するとセット割引で100円お得になります。このほか、アイスクリームに熱々のエスプレッソをかけた「カフェコンジェラート」(550円)や、甘いあずきにエスプレッソをかけた「あずきエスプレッソ」などのスイーツも楽しめます。
食事のおすすめは、なんといっても国産の粉と天然酵母で打たれた生地にトマトソースとチーズがたっぷりのオリジナルピザ。「マルゲリータ」と「野菜ときのこ」、「野菜とサラミ」、「野菜とたまご」の4種類があり、いずれも10インチが1950円、7インチが1250円です。このほか「古代米カレー」(1200円)や「カンパーニュカレー」(1200円)なども楽しめます。いずれの食事もドリンクといっしょに注文してくださいね。
ビールやワイン、シードル、カルバドスといったアルコールも提供されていますので、運転されないかたはぜひ楽しまれてはいかがでしょうか?

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すべてのピザは注文が入ってから生地を伸ばすハンドメイド。モチモチカリカリの食感が楽しめます。写真は「マルゲリータ」です。

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「カンパーニュカレー」は、店内でも販売されているカンパーニュ(田舎パン)を使ったカレー。スパイスの香りがやみつきになる一皿です。

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「クリームチーズケーキ」は、しっかりとしたケーキの味と香りが楽しめます。コーヒーとの相性は抜群です!

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山猫軒のエスプレッソ(シングル450円、ダブル550円、おかわり100円)は、飲みやすいフレンチタイプ。泡が残っている新鮮なうちに、香りと味を楽しんでください。

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宮澤賢治がこよなく愛したとされるサイダー。行きつけのそば屋では、三ツ矢のサイダーを提供していたそうです。

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文豪が愛した甘みと炭酸の刺激をいまでも味わえます。当時は天ぷらそばより高かったサイダーですが、山猫軒では「賢治おすすめサイダー」が450円で楽しめます。

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自然にかこまれた山猫軒は、お店につくまでの道中のドライブも楽しくおすすめです。近くには有名な越生梅林やハイキングコース、渓流釣りが楽しめるスポットもあります。史跡巡りや自然観察も楽しめるほか、自転車で来店される方も多く、楽しみ方はそれぞれです。お店の外には、ウッドデッキのガーデンテラスがあり、暖かい季節はこちらでコーヒーや食事を楽しむのもおすすめ。看板山猫たちがお出迎えしてくれることもあります。テラスのテーブルも手作りの品。風にさらされた木の表情を楽しんでください。

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テラスと周辺で活動中の看板山猫は現在2匹。取材時は、帰るときにお見送りまでしてくれる愛嬌たっぷりな子たちでした。

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黒猫は映画『はるねこ』にも出演したLuna。お店には入れないので、遊びたい方はテラスでどうぞ。

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レジ付近では、作品や雑貨、おいしい田舎パン・カンパーニュ(ハーフ750円、1本1500円)などが販売されています。

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ギャラリィ内にかざられているお花は、すべてオーナーが生けたもの。季節を感じさせる花の姿を楽しんでください。

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窓際の席は、作品と越生の自然をいっしょに楽しめます。席ごとにちがった作品や風景が楽しめるのも山猫軒の魅力のひとつです。

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寒い季節は、薪ストーブがギャラリィ内を温めてくれます。この薪ストーブも山猫軒のために作られた一品物です。

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ギャラリィ中央の大きなテーブルのほか、8人掛けのテーブルなどもあり、お連れの多いかたでもゆっくりできます

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ライブラリーも充実。「千代文庫」と名付けられたライブラリーでは、各種の蔵書のほか、写真家でもあるオーナーの渡仏時代の作品も見られます。

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1階からの様子。2階には数多くのスピーカーが配置され、すべて駆動するとつつまれるようなリッチな音場が楽しめます。